かくりよがたりのイベントが来たぞ!!!!!備えろ!!!!!!
インターネットよしのんPです。コミュがめちゃ良かったので感想を書いていきます。
※ネタバレを含みます
(前回のイベントコミュ感想記事)(2018年!?)
オープニング「風薫るまほろばへ」
潮風香る海を渡り、離島へ降り立ったアイドルたち。
彼女らは芳乃と小梅のユニット『かくりよがたり』の楽曲映像を撮影するためにこの島を訪れていた。
島の住民にも歓迎され、期待に心躍らせる一行。
ノスタルジックな離島を舞台に、アイドルたちのちょっと不思議な撮影旅行が幕を開ける……。
今回ユニットを組む二人がこちら。芳乃と小梅の組み合わせは、見た目が幼いながらもどこか超然とした雰囲気を纏っていたり、霊的な存在を身近なものとしていたり、ソロ曲のデレステ譜面がトリッキーで殺意高めだったり(?)と、デレマスに登場する多くのアイドルの中でも特にユニークな部分で共通点がありますね。
ユニットの初登場タイミングは2019年7月にモバマスで開催されたイベント「水着DEドリームLIVEフェスティバル」内。
デレステだとデレぽで結構絡んでたりします。
小梅ちゃんに対する他のアイドルたちの姿勢って、基本的に「直接的に理解することはできない(※見たり感じたりできないため)けど、そういうものとしてそのまま受け止めた上で接する」っていう、要するに受け容れる過程にワンクッションを挟んでることが多いと思うんですけれど、芳乃さんの場合は生来そういう存在を当然のものとして認識してるんですよね。だから特別な説明が無くても前提を共有できているという。
そういう意味で、お互いに一歩踏み込んだところで対話ができるのがこのユニットの面白いところだなーと思います。
そして今回のゲスト枠3人。かくりよがたりの2人が霊的な存在に対して普通に話を進めちゃうので、もりくぼはそれに慄く視聴者目線枠っぽい。早苗さんと李衣菜は……ウマ娘コラボから来た……?
第1話「幽世の境にて」
撮影が始まり、滑り出しは順調そのもの。
アイドルたちは自由時間に島内の散策も楽しみ、離島ならではのゆったりとした時間が流れていく。
そんな中、小梅はふとした折に訪れた神社で、舞の練習をする不思議な少女と出会う。その少女は小梅と芳乃の目にしか映らない、この世ならざるものだった。
かくりよ(幽世、隠り世):あの世。よみの国。↔現世(うつしよ)
ちなみに私は幽世という言葉をムヒョとロージーの魔法律相談事務所138話で知りました。(あの話救いが無さ過ぎた)
この日の撮影を終えた5人。MVとかイベントSR特訓後の設定はこのショートムービーの中の話っぽい。
撮影の話は深くは掘り下げられなかったので、今回のコミュではお仕事面ではなく、その裏で起こった出来事を描くようです。
夕飯までの自由時間で、早苗さんと李衣菜は海へ遊びに、乃々はお買い物に。
小梅は足を伸ばして少し遠くの神社まで出かけますが、そこである少女と出会います。記事冒頭画像の子ですね。メカクレ可愛い。
少女は夏祭りに向けて巫女舞の練習をしているのだとか。
芳乃、乃々が合流。第5回総選挙メンバーなのでこの2人の組み合わせ好き。聖属性には慣れたらしい。
2人曰くあの少女は幽霊だったとのこと。ここまで明言するんだ!?と最初は少し驚きましたが、2人のパーソナリティを描く以上、そこをぼんやりさせなかったのは英断だと思います。まあサイキックとか超幸運体質とかも普通に存在する世界だしな!
小梅さんのぱわーで彼女の姿が視えたとのこと。ただ芳乃さんは普段から割と視えている側の人だと思うので、「しかと視えた」っていうのは「普段はぼんやりとだけど今回ははっきり見えた」みたいな感じでしょうか。
「導く」。
第2話「送り火の神楽舞」
島の夏祭りで巫女舞を踊ると話していた少女の霊。
旅館の女将たちに話を聞くと、彼女は昔亡くなった町長の孫娘らしい。そして彼らは、少女の死から途絶えていた巫女舞の舞台に立ってくれないかと、アイドルたちに依頼する。小梅たちは少女の意思を確かめに、再び神社を訪れることにするのだった。
神社で出会った少女は夏祭りの巫女役で、直前に事故で亡くなってしまい、それ以来祭りでは巫女舞の舞台は開かれていない。そんな事実が旅館の女将と従業員の話から判明します。
そして話の流れで、アイドルたちが巫女の役目を務めてくれないかと依頼されることに。お世話になっていることもあり、スケジュール調整しつつ前向きに検討する姿勢のP。
で、でもそんないきなり巫女舞を踊れるアイドルなんて……
いや頼もしすぎるだろ
少女の役割である巫女舞を代わりに演じることについて、直接本人と会って話をすることにした2人。その中で、小梅は芳乃の「正しき道へ導く」という言葉にどこか引っ掛かりを覚えてしまいます。
第3話「導き手の務めを」
再び幽霊の少女に会うため神社を訪れた小梅と芳乃。
自分が既に亡くなっていて人の身ではないことを理解していた少女は、自分に代わって祭りで踊る芳乃の提案を快諾する。町長も説得し、祭りへ向け一同が盛り上がるが、何故か小梅の表情は晴れず、一緒に踊ろうと誘う芳乃の言葉を拒むのだった。
どうやら少女は自分が既に亡くなっていることを認識していたらしい。神社から出ることができないということで一応地縛霊に分類されるのでしょうが、悪霊ではなかったので一安心。ですが、神社から出られない理由が、恐らくずっとここで巫女舞の練習をしていたことに起因していると思われるので、自分の役目を果たすことができなかったことに対する未練は大きいようです。
2人がここに来た目的は巫女舞の代理を務める件について話すためですが、その前に芳乃の提案で鞠遊びをすることに。
え小学生!?
年齢操作かと思った
コミュ内では出てこないけど特訓後はこちら。やっぱ年齢操作してない?
真面目な話、彼女の纏う気によって雰囲気ががらっと変わるのが芳乃さんの魅力ですね。(小梅ちゃんも頭身変わってない…?)
しれっと凄いことしてる…(呪物言われてて笑った)
「届くかもしれませぬよ」の声可愛すぎ
「巫女舞が途絶えてしまったこと」自体に負い目を感じているのであれば、それを自分たちが再開させることで未練を晴らすことができるかもしれないとのこと。
それで祖父を助けることができるのならと、少女は提案を了承します。
芳乃は一緒に巫女舞を踊ることを提案しますが、それを断ってしまう小梅。
第4話「語り合い重ね合い」
夏祭りの準備が進む一方で、元気がない様子の小梅。芳乃は意を決し、舞台に立たない理由を彼女に問う。
幼い頃からこの世ならざる者と交流して育った小梅は霊をあの世へ送ることに躊躇いがあり、その想いが芳乃の邪魔になると考えていた。芳乃は誤解を正し、「自分の役割は道を照らすだけ」と小梅に伝える。
早苗さんと乃々に「少女に会いに行かないか」と提案された小梅ですが、少女に会うことそのものに躊躇いを感じている様子の小梅。
場面は変わり、芳乃と李衣菜の対話に。なぜ小梅が巫女の役を断ったのかは分からないし、芳乃自身は小梅と一緒に踊ることを願ってはいるけれど、過度に(少なくとも芳乃自身はそう感じている)踏み込むのは自分の役目ではないと述べる芳乃。
この辺りに芳乃のかんなぎとしての価値観が表れていると思います。台風や火山といった人の力ではどうしようもない自然と同じように、人も本来は他者の力でどうにかすべきものではなく、人と人との間には境界があるのだから、それを身勝手に越えるべきではないと。
それ自体は決して間違いではないのだと思います。
ですが、アイドルとして、同じユニットのメンバー相手であるなら、多少強引にでも踏み込むべきだと李衣菜は言います。
以前の山紫水明コミュでは夏樹が自分たちのユニット(ロック・ザ・ビート)の在り方を語る場面がありましたが、夏樹の相方としてそれを想起させるような展開なのが良いですね。(よくケンカするのはみくの可能性もあるけど)
李衣菜の言う通りただ遠慮している、というわけではない(そういうものである、という生い立ちに根差した価値観)と思うのですが、李衣菜の考え方の一端に共感を示す芳乃。
ここからは想像ですが、この時芳乃は、自分を鹿児島の離島から広い世界に連れ出した自身のプロデューサーのことを思い浮かべたのではないかと思います。
モバマスの方のSR[黄昏の映し人]のエピソードより。
時には境界を越えることで他者を幸せにすることができる、それを身をもって知っていたことを、この時思い出したのかもしれません。
ちなみにこのカードのセリフ一覧などはこちらのサイトから確認可能です。(いつもお世話になってます😌)
強引芳乃さんすき
「境」を越え、芳乃は小梅に意図を問います。
自らの過去と今の心情を語り、巫女役を断ってしまった理由を伝える小梅。すなわち、芳乃の言う「正しい道」が霊の成仏(=この世からの消滅)であるならば、それを前向きに捉えることはできない、ということでした。(話は逸れますが、小梅ちゃんが親との関係性とか語るコミュって過去にありましたっけ…?)
幽霊を扱った作品で、成仏がハッピーエンド、あるいは当然の着地点として扱われる例は枚挙に暇がないと思いますが、それに異を唱えるかのようなこの視点は小梅ちゃん(とシンデレラガールズという作品)ならではですね。
自らの言葉が足りずに誤解を与えてしまったことに対して、(山紫水明のイベコミュぶりに)反省をする芳乃さん。何となくの印象としては何も間違えない完璧な存在に見える芳乃さんですが、こうして人並みに間違い(という表現ですら過大に見えますが、本人の中ではそうなのでしょう)をしてしまったりするところを見ると、まだまだこの子も成長途中なんだなあと実感させられます。
これはイベコミュの3話から。
とは言え、姿勢としては最初から一貫してるんですよね。芳乃さんの中では正しき道≠成仏であり、未練が晴れた後の選択肢は一つではないのだと。
では正しき道とは何なのか。
この言葉驚きました。
アニデレでのプロデューサーの描かれ方と全く一緒だったからです。
©BNEI/PROJECT CINDEREELLA
「……島村さん、選んでください。このまま、ここに留まるのか。可能性を信じて、進むのか。どちらを選ぶかは、島村さんが決めてください」
「島村さん。選んだその先で、あなたは一人ではありません。私達が……皆が、居ます」
(24話より引用)
アニデレ(特に2クール目)のプロデューサーのスタンスは「選択肢は示すが、選択自体はアイドルの意志に委ねる」という形で一貫しています。だからifの話ではありますが、このエピソードでたとえ卯月がステージに立たない選択をしたとしても、卯月は決してプロデューサーに否定されることはなかったのではないかと思います。(「進んだその先」ではなく「選んだその先」なので)
もう7年前のアニメですが、シンデレラガールズというコンテンツの根幹の部分は変わらないのだなあと個人的に感動した一場面でした(なのでこの記事が立った)。
芳乃さんは我々が思ってるより ずっとP側なのかもしれませんね
これ関連のアニメの話は以下の記事でしてたりします。
自分の「導き手」としての役割は、人の進む道を自身の裁量で決めてしまうことではないという意味の言葉を芳乃は語ります。
この考え方が、上で述べた
ここからは想像ですが、この時芳乃は、自分を鹿児島の離島から広い世界に連れ出した自身のプロデューサーのことを思い浮かべたのではないかと思います。
という想像の根拠でもあります。
すなわち、李衣菜の言葉が一つのきっかけになったことは確かですが、ここで述べられている彼女の考え方から、芳乃はその言葉にただ従ったわけではないと考えられます。
となれば「境を越える」という芳乃の選択を後押ししたものは、他ならぬ彼女自身の中にある経験や感情であり、それがプロデューサーとの出会いの記憶だったのではないかと考えた次第です。
お互いの境を越え、2人が本当のユニットになった瞬間です。
第5話「現世に響く歌」
少女をあの世へ送り出すためではなく、その思いを遂げさせるため……小梅は舞台に立つ決心をした。
芳乃と小梅、この世ならざる者と関わるふたりが起こした小さな奇跡か。夏祭りの日、待ちに待った舞台を見つめる人々の目には、島の祭りと巫女舞を愛した少女の姿が確かに映っていたという。
多くは語るまい。とても良い話。
エンディング「夏陰に思い馳せ」
かくして、少女の霊をめぐる離島での一件は解決し、再び元通りの日常が戻ってきたのだと、感慨にふけるアイドルたち。だがある日、誰かと話す小梅と芳乃の姿を目にする。「ついてきちゃったんだって」という小梅の無垢な笑みに、凍りつく一同。事務所で暮らす新たなお友だちとなり、少女の物語は続くのだった。
事務所に帰還し、島での生活と出来事に思いを馳せている二人。
三人はあの少女が成仏したとすっかり思い込んでいる様子。
小梅と芳乃がそのことで少し落ち込んでいるのだと推察し、励ましの言葉を掛けようとします。
それっぽいことをキメ顔で言う李衣菜で笑ってまう
めちゃめちゃカジュアルに来るじゃん(壁透過した?)
4話の流れ上当然なのですが、少女は成仏はせずに現世をエンジョイしていました。島で神社の守り神的なのになるのかなーと思っていたのですが、アイドルのファンになってしまい、また都会に憧れがあったらしく、まさかの事務所までついてくることに。シャーマンキングみたいな世界観になってきたな
今後エイプリルフールイベントとかで再登場あるかもしれないですね。事務所探索ゲーとかで(希望)
良い笑顔すぎる
というわけで、これが彼女たちなりのハッピーエンドなのでした。
おわりに
良すぎでは……………………………………????????????
デレステでTOP5に入るくらい好きなコミュになりました(他はSecret DaybreakとかWhite againとかサマーサイダーとかがランクイン)
芳乃と小梅という個々人の在り方、かくりよがたりというユニットとしての在り方、シンデレラガールズの根底にあるコンセプトがそれぞれ端的ながらも深くまで描かれていて、そして物語としても面白いので人に薦めやすい。無敵???
個人的には、芳乃さんはただ一人で完全無欠の存在というわけではなく、色々な人との関わり合いの中で生きている子であるというのをしっかり描写してくれたのが嬉しかったです。だからこそ「この先もそばで見ていてほしい ずっと特別なあなたと」というキセキの証の歌詞が刺さる……芳乃さん歌ってないけど……俺の脳内でしか……
ちょうどいい分量だと思うし30分くらいの短編アニメにしてほしい。3人が巫女装束で踊るとことか絶対いい映像になるでしょ……頼むCygamesPictures……(※Cygames系列のアニメ制作会社)
ここまで書いていてかなり芳乃さん寄りの内容になってることに気付いたので、小梅ちゃん有識者は良(よ)ポイントを共有していただけると嬉しいです。
とりあえず読み返してきます。
余談
なんとイベント終了直後に、イラストから少女の姿が消えてしまうという演出が。(コミュ内では確認可能)
事務所に来ちゃった…ってコト!?