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【アニデレ考察】劇中の未央に見る2つの成長

 

はじめに

 2015年に放送され、アイドルマスターの歴史に新たな1ページを刻んだ「アニメ アイドルマスターシンデレラガールズ」。

複数の登場人物が織り成す人間模様を描く群像劇というストーリー方式上、主人公と呼べるキャラクターは存在しないのですが、その中でも物語全体を一貫して描かれたのが未央のエピソードでした。

ニュージェネレーションズのリーダーとしての役割を持つ未央は、凛や卯月と同じく物語の中核を担う存在として描かれています。全編に渡って細かい心理描写・台詞回しが散見されるのが特徴のこの作品ですが、その中でも未央のエピソードは複数の回を跨ぎ、なおかつ婉曲的な表現も多く、全貌を理解するのは中々難しいように思います。

そこで、本記事では物語全体を通して見て取ることができる、未央の

  • アイドルとしての成長
  • ユニットのリーダーとしての成長

という2つの成長に注目し、彼女の一つ一つの台詞や行動が、物語上どのような意味を持つのかということについて記していきたいと思います。

 

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序盤(~7話)

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©BNEI/PROJECT CINDEREELLA

「つまり、あの時に比べて盛り上がりが足りないと……?」

「っ……」

「……いいえ。今日の結果は当然のものです」

「当然……!? 酷いよ、なんで? 私がっ……私がリーダーだったから!?」

「いやっ……」

「もういいよ……私、アイドル辞めるっ!」

(6話より引用)
 

序盤の未央というと3話での初ステージ、そして6話での自信喪失による挫折が特に印象的ですね。

未央にとっての「実力のあるアイドル」の基準は、初ステージが既に高い実力を持っていた美嘉のライブであった事から、「場の盛況ぶり」にあると捉えていた節があります。それ故に、自分達なりに頑張ってレッスンをしたにも関わらず客が(未央の基準では)全然集まらなかった事に対して、自分達のユニットはアイドルとしての実力が低いという現実を突き付けられたように思い込んでしまったのでしょう。特に未央はユニットの顔とも言えるリーダーとしての責任感やプライドも同時に持ち合わせていましたから、プロデューサーの「今日の結果は(リーダーであるあなたの能力が低かったのだから)当然のものです」と誤解して受け取ってしまった言葉に立ち直れなくなるほどのショックを受けてしまったのも仕方の無い事であると言えます。認識の齟齬と言葉足らずが引き起こしたバッドコミュニケーションですね。

たまに「観客が少なかった」→「アイドル辞める」という理解の意見を見かけますが、正しくは「観客が少ないのはリーダーである自分の責任と言われた」→「アイドル辞める」なので注意。

この時点での未央の未熟であった点は

  • アイドルとしてファン一人一人に向き合っていなかった事
  • ユニットのリーダーとしての役割を放棄して逃げ出してしまった事

の2つであり(これらはそれぞれ前述の「2つの成長」とリンクしているのですが)、7話終盤において、前者について未央はプロデューサーの言葉を受けて自分がいかにアイドルとして未熟であったかという事を認識し、後者については凛と卯月に謝罪しもう一度リーダーとしてやり直すチャンスが欲しいと決意を新たにした所で、この話はひとまずの区切りとなります。ここでようやく未央、引いてはニュージェネというユニットは物語のスタートラインに立ったと言えるのではないでしょうか。

 

アイドルとしての成長

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©BNEI/PROJECT CINDEREELLA

「もう逃げない! 見てくれる人、皆を笑顔にする!」

 

「プロデューサー、ありがとう……。アイドル、辞めなくて良かった!」

(13話より引用)

 

会場の盛り上がりや客の人数ばかりに価値があると思い込み、お客さん一人一人の顔を見る事が出来ていなかった未央のリベンジとも言える展開が13話のライブです。雨天の影響で先ほどまでは満員だった会場も今はまばら、そんな状況であっても見てくれる人全員を笑顔にすると、過去の失敗を糧にして未央はプロデューサーに約束します。全ての演目が終わった後のステージ上で、アイドルとしてファンの一人一人に応援される事の喜びを、初めて実感として知った後の未央の言葉にはグッとくるものがありますね……。

 

凛のエピソードにおいて

ここからが複雑になってくるところ。1st Seasonではアイドルとして一段階成長を遂げた未央が、2nd Seasonではユニットのリーダーとして、そしてまた人間としてどのような成長を遂げたのか。まずは20話以降の、トライアドプリムスと凛にまつわるエピソードの方から見ていきましょう。

 

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©BNEI/PROJECT CINDEREELLA

「てか、私、やだよ……。ごめん、だってやっぱ分かんないもん。私、この三人だからここまでやって来れた。この三人ならどんな事でも乗り越えられるし、どんな事でもチャレンジ出来るって。しぶりん、その新しい何かって、ニュージェネじゃ出来ない……? 私達とじゃ駄目なの……?」

 

「プロデューサー、私も見なきゃ。それが何なのか分からないけど、私、しぶりんにちゃんと応えたい。じゃないと三人で前に進めない気がする。ねえ、この事は私達で答えを見つけるから」

(20話, 21話より引用)

 

トライアドプリムスに参加するかどうか迷っているという凛の告白を受けて、全く予想外の出来事に未央は狼狽し、凛が別の場所に行ってしまうのは嫌だと率直な気持ちが思わず零れてしまいます。ちなみにこの時の卯月の「私も思ってたけどそれ言っちゃうんだ……」的な反応は卯月の話を考える上では一つのヒントになるでしょう。

一旦はその場から逃げ出してしまう未央ですが、屋上にてプロデューサーと美嘉の二人に漏らしたのは「凛の気持ちを推し量る事の出来なかった自分はユニットのリーダー失格」と凛ではなく自分を責める内容の言葉でした。この事からも、以前リーダーとしての責務を放棄して逃げ出してしまった事実が彼女の中で長く尾を引いていたであろう事が窺えます。今までの活動に誤りは無かったと強い言葉で未央に語り掛けるプロデューサーですが、そんな彼にも凛が感じた可能性とは何であるのかは分からず、ユニットの為に何が出来るのか、リーダーとしてどうするべきなのかという問いへの答えは、未央自身が探さなければなりませんでした。そんな一つの岐路に立たされた彼女は、熟慮の末「自らもソロ活動を始める」という結論に辿り着きます。

 

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©BNEI/PROJECT CINDEREELLA

「しぶりんの気持ち、知りたいって思ったの。ちゃんと返事したかったから。ちょっとずつ、分かってきた」

「未央……。ありがとう」

(21話より引用)

 

ソロ活動の開始というのは一見突拍子もない結論に思えますが、未央がどのような目的で舞台という新たな挑戦に踏み出したのかを考えると

  • 同じ立場に立つことで凛の後ろめたさ、罪悪感を緩和する
  • 舞踏会に向けて「表現力」という新たな武器を身に付ける
  • 凛の感じた可能性とは何だったのか、それがどれほどの価値を持つものであるのかを身を以て確かめ、凛への最も深い部分での理解を示す

という3点が同時に達成される、非常に合理的と言える行動である事が分かります。これだけでも、彼女が以前と比べいかに大局的に物事を捉えられているかという成長の一端が見て取れるでしょう。

しかしながら未央は、そのような目的があってソロ活動を始めたのだという事を活動開始の直後には凛と卯月に話していませんでした。それが原因の一つとなって未央と二人の間に軋轢が生まれてしまうのですが、それでは何故未央は自らの目的を最初から伝えていなかったのでしょうか。

 

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©BNEI/PROJECT CINDEREELLA

(舞台の稽古を終え、何かを掴みかけている様子の未央)

 

「……うん。ごめん、待たせて」

(21話より引用)

 

一つ上の台詞のシーン直前にて。この「ごめん、待たせて」という言葉の後に凛と卯月が「そんな台詞あったっけ……?」と台本を確認する描写があるので、これは台本ではなく未央自身の言葉であると推察されます。未央が二人を待たせていた理由は、上記の目的の3つ目「凛の事を最も深い部分で理解する」ために、「舞台という今までにない挑戦の中で自らも新しい可能性を掴みかけている実感を得てから凛と向き合いたい」という、彼女なりの凛に対する礼儀・真摯さだったのではないでしょうか。未央は序盤の頃とは見違える程思慮深く、ニュージェネの事を誰よりも大切に考えている存在として描かれていますね。

 

卯月のエピソードにおいて

卯月が調子を崩し始めたのは凛と未央の個別の活動が始まってからというプロデューサーの発言を受けて、未央は自分の行動が切っ掛けとなり卯月が活動に支障を来すほどの不安を抱えるに至ってしまったのではないかという疑念を抱き始めます。

その事を確かめるべく卯月のもとへ向かう二人ですが、そこで彼女の口から語られた不安は、ユニットがバラバラになってしまう事に対してではなく自身の内面に関わる事への苦悩でした。

思うに卯月は同期の子が皆辞めていく中でも一人養成所に残ったり、未央が逃げ出し凛が離れて行ってしまった時も二人を前向きに待ち続けたりといった事から「外部の環境の変化」には比較的強い子であると捉える事が出来ます(逆に言えば自分自身の内部の問題には弱いとも取れる)。前回の記事で卯月の悩みは「ニュージェネが変わっていく事への不安」と「自分にも『キラキラした何か』があるかどうか分からないという不安」の2種類があったと書きましたが、だからこそ前者の不安はそこまで深刻化せずに、最終的に卯月の中で最も根深い問題として描かれたのは後者だったのではないでしょうか。

 

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©BNEI/PROJECT CINDEREELLA

「しまむー、前に私が逃げちゃった時も、ずっと待っててくれたじゃん。なんかね、安心してた。しまむーどんな時も笑って『頑張ります』って言ってくれるって。……そんな訳ないよね。ごめんね、気付けなくて」

 

「私たちさ、もっかい友達になろうよ。今から」

(23話より引用)
 

未央はこの時に「卯月の事をどんな時も笑って待っていてくれる存在と誤解していた」と語りますが、確かに「どんな時も」では無いにせよ、上述の事から少なくとも「ニュージェネがそれぞれの活動を始め三人での時間が減ったとしても、ユニットの中心で笑顔でいてくれる存在」という未央の卯月に対する認識は強ち間違ってはいなかったのではないかと考えられます。

卯月の抱える問題が自分達の想像の一つ先にあったと知った未央は、彼女に「もう一度三人で友達になろう」と提案します。正直な話この言葉の意味は正確には分からないのですが、以下で述べる未央の行動理念に鑑みると「ユニットのリーダーとしてではなく一人の友人として相手の気持ちに寄り添う」という事なのではないかと思います。記事タイトルと矛盾しますが、これはある意味3つ目の成長と言えるかもしれません。

 

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©BNEI/PROJECT CINDEREELLA

「しまむー、来てくれて嬉しい。ありがと!」

(24話より引用)

 

23話終盤~24話における未央の立ち回りについて見てみましょう。まず卯月に対して、注意して見てみると未央は「待ってる」とか「一緒にステージに立とう」などライブ参加を促す類の言葉を面と向かって彼女に発する事は一度もありません(例:23話の最後、凛は「待ってる」と言葉にして伝えるのに対し、未央は笑って手を振るだけに留めている)。未央はなるべく卯月に普段通り接し、「事務所に来てくれただけで嬉しい」と現状を否定する一切の言葉を語らずに彼女を迎え入れます。ニュージェネのリーダーとしては何としてでも卯月を参加させるべきなのでしょうが、この時の未央は卯月の一人の友人としての立場にあり、卯月が進む道の選択は(ライブ不参加という結末の可能性もあるいは覚悟した上で)卯月自身の意志によって決定されなくてはならないという事を誰よりも理解していたが故の行動でしょう。

 

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©BNEI/PROJECT CINDEREELLA

「三人でライブに出るんでしょ? しまむー信じて待ってよう!」

(24話より引用)
 

対して凛は卯月に向かって「待ってるから」「卯月が居ないと嫌だ」と、自らを格好悪いと評するほどに感情を剥き出しにして自身の意向を示します。そんな凛との一対一での対話(つまり卯月が居ない場)においては、未央は上記のように卯月の意志を尊重するべきだとは言わずに、「信じて待っていよう」と凛の気持ちに寄り添う形の言葉を選んでいる事が見受けられます。

すなわち未央はユニットがバラバラにならないようにそのかすがいとしての役割を果たしつつ、それでいて卯月自身による選択が最大限尊重されるように立ち回っていたと理解されます。……未央、器用過ぎない?

 

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©BNEI/PROJECT CINDEREELLA

「うん、待ってた……」

(24話より引用)

 

そんな未央は最後の最後に、今まで抑え込んでいた卯月への思いをたった一言だけ形にして伝えます。「待ってる」ではなく「待ってた」、卯月が自らの意志で決断を下すまでずっと言わなかったこの言葉には、この作品における未央の全てが詰まっていると言えるでしょう。

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