イベント「シンデレラキャラバン」中、各ユニットに高スターランクのセンター(画像では20, 15, 15)を置いてGRAND LIVEを行うと、
このようにイベントアイテムが大量にドロップします。本記事ではこのEVENT枠数とスターランクの関係について検証を行います。
を扱います。
EVENT枠の種類 報酬獲得時に出てくるEVENT枠には種類があり、アイドルまたはメダルがドロップする「ランダム枠」と、メダルのみがドロップする「メダル枠」が存在します(GRANDでも共通)。 スターランク15以下のアイドルをセンターにしてWIDE LIVE(通常のLIVEのこと)をプレイした場合、最大で2枠が出現しますが、この2枠はそれぞれ「ランダム枠」と「メダル枠」に該当します。 スターランク16以上のアイドルをセンターにしてWIDE LIVEをプレイした場合、最大で4枠が出現しますが、この4枠はそれぞれ「ランダム枠×2」と「メダル枠×2」に該当します。 ちなみに、リザルト画面ではランダム枠→メダル枠の順に表示されます。 EVENT枠の出現確率 以下はスターランクを上げたときに表示される「レア獲得率」のまとめ。→2020/04/28のアップデートにより変更。詳しくはまとめで レア獲得率について、スターランクが1~15のとき、 の2条件を満たした場合、(センターのレア獲得率)×40%の抽選が2回行われ、成功した数だけEVENT枠が出現します。 具体例としては、例えばスターランク5のセンターを配置した場合、EVENT枠1つあたりの出現率は1.5×40=60%となり、すなわち「ランダム枠」「メダル枠」がそれぞれ60%の確率で出現することになります。この出現率はスターランク15(レア獲得率2.5)で100%(すなわち2枠確定)となります。 ではスターランク16以上はどうなるのかという話ですが、100%を超過した分が3枠目・4枠目の出現確率に割り当てられます。 具体例としては、例えばスターランク18のセンターを配置した場合、EVENT枠1つあたりの出現率は2.8×40=112%となり、「ランダム枠①」「メダル枠①」が確定で出現するほか、「ランダム枠②」「メダル枠②」がそれぞれ12%の確率で出現するようになります。この追加出現率はスターランク20(レア獲得率5)で100%(すなわち4枠確定)となります。 さて、WIDEでは出現率=(センターのレア獲得率)×40%という式で決定されることを述べましたが、3人のセンターが居るGRANDではどのような式になっているのかを考えていきます。 キャラバンとは直接の関係は無い話ですが、後の議論に必要なのでまずこれを扱います。 獲得マニー倍率とはリザルト画面に表示されるこの数字。ちなみに2.36倍とありますが実際には136%アップの意で、他の倍率アップ効果と合算されたものが最終的な倍率になります。 スターランクの影響はこのマニー倍率にも及び、スターレッスン時に表示される効果は以下の通り。 WIDEでは単純にこの値がリザルト画面での表示値になるのですが、GRANDではどうなるのかということで色々な組合せで調査した結果が以下(下3つに関してはwiki: 2019年12月キャラバンのコメント欄からお借りしました)。 ①,②,③はそれぞれ1,2,3番目に高いスタランのマニー倍率を表します。 3人ともスタラン15(倍率1.2, 1.2, 1.2)のとき、表示値は1.56となります。1.2は要するに20%アップということなので、単純に考えれば100%+20%+20%+20%=160%、すなわち1.6となりそうなものですが、実際は0.04だけ小さいことが分かります。 同様に、3人ともスタラン20(倍率2, 2, 2)のとき表示値は3.81となり、単純な和である4より0.19だけ小さくなっています。 これらの結果から、表示値は「1+各センターのスタランに対応するマニー倍率-1の和」より少しだけ小さい数になるらしいことが予想できます。よってモデル式として 表示値=1+(①-1)×a+(②-1)×b+(③-1)×c という計算式が立てられます。あとは表中の結果を用いてa,b,cを導出するだけですが、切り捨て処理などが行われている可能性があるので、データの一部の値を代入して求めるのではなく表中のデータ全てを用いてRで重回帰分析を行いました(定数項の1を左辺に移行したデータを使用)。結果↓ > (result <- lm(hyoujichi~x+y+z,dat,)) Call: Coefficients: ここからは勘に頼った部分が大きいのですが、定数項(Intercept)はほぼ0なので無視、aはほぼ1、bはおおよそ0.91、cはおおよそ0.905とそれなりにキリの良い数字(そうか?)を式に当てはめるa,b,cの値として選択し、仮の計算式を 表示値=1+(①-1)×1+(②-1)×0.91+(③-1)×0.905 としました。この式による予測値と実際の表示値を比較したものが以下。 上3桁が完全に一致。 どうやら表示値では予測値の小数第3位以下を切り捨てているようです(ちなみに実際の獲得マニー計算では切り捨てていない値が用いられている模様)。 調査はスタランを上げても倍率の表示値が上昇しないところ(表の8-9行目など)を中心に行ったのですが、予測値を見るとその理由が綺麗に説明できるかと思います。 というわけで、多少本来の数字と異なる部分もあるかもしれませんが、GRANDにおける獲得マニー倍率の計算式はこれということで。 そしてここからがある意味本題で、2019/12/10以前に生じていたGRANDでの獲得報酬における不具合について紹介します。 具体的な不具合の例としては「ユニットA-B-Cとして、スタラン20-15-15と15-15-20では各種効果が異なる」といったもの。このときキャラバン報酬に関しては、EVENT枠数自体が変動してしまうといった影響がありました。 獲得マニー倍率を見ると、不具合発生中は となっていました。この2.29という数字がどこから来たのかということを考えると、恐らく 1+(1.2-1)×1+(2-1)×0.91+(1.2-1)×0.905=2.291 という、1番目に高い倍率であるはずの2が①ではなく②に来てしまっていることに由来すると推測できます(ちなみに③に来るとすると表示値が2.28となってしまうため不適)。 これも推測ですが、恐らく倍率を大きい順に並べる際のソートにバグがあり、ユニットCの倍率が①に来てしまっていたのだと思われます。 という訳で、GRANDにおける倍率計算の式の形、およびバグの中身についての話でした。 以下は様々なスタランの組合せで出現EVENT枠数の集計を行った結果。 (15-15-15のデータのみwiki:2019年8月キャラバンおよび2019年10月キャラバンのコメント欄からお借りしています) バグ時というのは、前述の不具合が発生している最中に集計した結果です。本来なら計算に入れるべきではないかもしれませんが、前述の不具合考察でその中身が恐らく判明したので入れることにしました。 また、非確定枠の出現率は、例えば15-15-15なら√(70/150)、バグ時20-15-15(非アップ)なら1-√(21/30)といったように、回数が多かった方の偶数枠の数字を計算に用いています。 さて、EVENT枠出現率の計算式の導出ですが、獲得マニー倍率の式を参考に、モデル式を EVENT枠出現率= と仮定します。(①,②,③はそれぞれ1,2,3番目に高いスタランのレア獲得率を表す。ただしバグ時には①と②が入れ替わる) この基礎獲得確率というのはWIDEの時でいう40(%)のことであり、楽曲難易度(MASTERとかFORTEとか)と楽曲の報酬出現率アップ/非アップによって決定される数字です。これについてはwikiのデータ(FORTEのアップ時で50%、非アップ時で46%)を使用します。 a,b,cの求め方は、データ集計区が少ないので、とりあえず表の上3つの結果をモデル式に代入して3元連立方程式を解く方法で行いました。このとき解は a≒0.965, b≒0.417, c≒0.386 と求まりました。ここからはやはり勘で、解の値に近い綺麗な数として a=1, b=0.4, c=0.4 を選択し、仮の計算式を EVENT枠出現率= としました。弱いですが一応根拠はあり、不具合時のように①と②が入れ替わってしまうと出現率に結構な(EVENT枠数が変動してしまうような)差が生じる係数になっています。 この式の実データへの当てはまりを確認したものが以下。 どこをどう見るのかと言うと、例えば2行目の20-15-15(非アップ)では予測出現率が285.2%となっていますが、200%+85.2%としてこれを捉えると となるので、確定枠数とデータから推定した非確定枠1枠ごとの出現率をこの予測値と比較してやれば良いことになります。 という訳で、全集計区において確定枠数に関しては問題無く一致。非確定枠に関しても結構合ってるのでは……?(やや希望的観測) そもそも確率絡みの話なので正誤の判定が難しいというのがあり、おおよその傾向が掴める式なら良いということで。 ちなみに出現率アップ時スタラン20-20-20だと予測出現率は410%となり、 (2020/02/11追記) 出現率計算式の精度を検証するために、以下の実験を行いました。 要するに計算式による予測値が100n%前後となるようなスターランクの組合せでGRAND LIVEを行い、実際の出現枠数が予測値に対応しているかを調査しています。なお出現率非アップ日に実施。 結果。 スターランク10-2-2 (予測値99.36%) において1枠を確認し、したがってこの組合せでの実際の出現率<100%であることが示せました。 またスターランク10-3-2 (予測値101.2%) において3枠を確認し、したがってこの組合せでの実際の出現率>100%であることが示せました。 以上の実験から、今回導出した計算式は極めて高精度に出現率を予測できることが示唆されました。 (追記おわり) 2020/04/28以前の集計を元にした計算式導出過程(興味のある方向け)
WIDE LIVEにおけるEVENT枠の仕様
スターランク
レア獲得率
備考
1
1.1
2
1.2
3
1.3
4
1.4
5
1.5
Nの上限
6
1.6
7
1.7
8
1.8
9
1.9
10
2
Rの上限
11
2.1
12
2.2
13
2.3
14
2.4
15
2.5
SRの上限
16
2.6
17
2.7
18
2.8
19
2.9
20
5
SSRの上限
GRAND LIVE仕様考察
獲得マニー倍率
スターランク
獲得マニー量
備考
1
1.01
2
1.02
3
1.03
4
1.04
5
1.05
Nの上限
6
1.06
7
1.07
8
1.08
9
1.09
10
1.1
Rの上限
11
1.12
12
1.14
13
1.16
14
1.18
15
1.2
SRの上限
16
1.3
17
1.4
18
1.5
19
1.7
20
2
SSRの上限
lm(formula = hyoujichi ~ x + y + z, data = dat)
(Intercept) x y z
-0.005568 1.000599 0.910477 0.905564
EVENT枠数の出現確率
{1+(①-1)×a+(②-1)×b+(③-1)×c}× (基礎獲得確率) %
{1+(①-1)×1+(②-1)×0.4+(③-1)×0.4}× (基礎獲得確率) %
これは8枠確定+9,10枠目がそれぞれ10%で出現という凄まじい効果になります。実際、9枠が出た報告はTwitterやwikiなどでちらほらある(10枠は見たことがない)ので、これも一応式の正しさの裏付けになっています。
まとめ
以下の表はスターレッスン時やアイドル詳細(所属アイドル一覧などでアイコンを長押ししたときに現れるポップアップ)に表示される「レア獲得率」のまとめ。
スターランク | レア獲得率(%) | 旧レア獲得率(倍) | 備考 |
---|---|---|---|
1 | 16 | 1.1 | |
2 | 22 | 1.2 | |
3 | 28 | 1.3 | |
4 | 34 | 1.4 | |
5 | 40 | 1.5 | Nの上限 |
6 | 46 | 1.6 | |
7 | 52 | 1.7 | |
8 | 58 | 1.8 | |
9 | 64 | 1.9 | |
10 | 70 | 2.0 | Rの上限 |
11 | 76 | 2.1 | |
12 | 82 | 2.2 | |
13 | 88 | 2.3 | |
14 | 94 | 2.4 | |
15 | 100 | 2.5 | SRの上限 |
16 | 106 | 2.6 | |
17 | 112 | 2.7 | |
18 | 118 | 2.8 | |
19 | 124 | 2.9 | |
20 | 250 | 5 | SSRの上限 |
2020/04/28以前のバージョンでスターレッスン時に表示されていた旧レア獲得率も載せていますが、これらの間には
旧レア獲得率 = (レア獲得率+50)/60
という関係が成立します。旧レア獲得率の方が扱いやすいので、以下ではこちらの数字を扱います。
そして計算式がこちら。
ついでにこの式から導ける代表的なスタランの組合せに対する出現率も置いておきます。
表の通り、同じスタラン帯であれば出現率は
出現率アップWIDE<出現率非アップFORTE
となる(スタラン15が十分居る場合)ので、時間効率という面でGRANDが極めて優秀であることが分かります。