簡単な経緯
イベント「シンデレラキャラバン」において、GRAND LIVEを行った際の獲得報酬数に与えるスターランクの影響を、上記記事で考察したのが数年前。
その結果、仮説として以下のような計算式が立てられました。
しかしながら、その後も集計を続けていたところ、どうやら{}内で用いた「0.4」という係数がこれより小さいのではないか?という疑問が出てきたため、改めてこの式について考えようと思った次第です。
ちなみに計算式中で用いられている「旧レア獲得率」のスターランクごとの値は以下。
スターランク | 旧レア獲得率 |
---|---|
1 | 1.1 |
2 | 1.2 |
3 | 1.3 |
4 | 1.4 |
5 | 1.5 |
6 | 1.6 |
7 | 1.7 |
8 | 1.8 |
9 | 1.9 |
10 | 2.0 |
11 | 2.1 |
12 | 2.2 |
13 | 2.3 |
14 | 2.4 |
15 | 2.5 |
16 | 2.6 |
17 | 2.7 |
18 | 2.8 |
19 | 2.9 |
20 | 5 |
集計データと検定
スターランク | 出現率UP | 6枠 | 7枠 | 8枠 | 9枠 | 10枠 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
20-20-15 | × | 376 | 272 | 50 | - | - | 698 |
20-20-15 | ○ | 32 | 73 | 46 | - | - | 151 |
20-20-20 | × | 36 | 215 | 250 | - | - | 501 |
20-20-20 | ○ | - | - | 190 | 21 | 2 | 213 |
- スターランク列はGRAND編成の各ユニットのセンターに配置したアイドルのスターランク。20-20-15であればスターランク20が2人、スターランク15が1人の意。
- 出現率UP列は、集計日が全タイプ曲(GRAND曲)の出現率UP日だったかどうかの意。
- 6枠~10枠列は、LIVE後に出現したEVENT(ドロップ)枠が、それぞれの枠数ごとに計何回確認できたかのデータ。例えば1行目であれば、計698回LIVEを行い、EVENT枠が6枠だったのが376回、7枠だったのが272回、8枠だったのが50回の意。
これを割合(%)に変換し、なおかつ上記計算式を用いて予測された出現率(赤字)と並べた表が以下。
スターランク | 出現率UP | 6枠 | 7枠 | 8枠 | 9枠 | 10枠 |
---|---|---|---|---|---|---|
20-20-15 | × | 53.9 | 39.0 | 7.16 | - | - |
47.3 | 42.9 | 9.73 | - | - | ||
20-20-15 | ○ | 21.2 | 48.3 | 30.5 | - | - |
16 | 48 | 36 | - | - | ||
20-20-20 | × | 7.19 | 42.9 | 49.9 | - | - |
5.20 | 35.2 | 59.6 | - | - | ||
20-20-20 | ○ | - | - | 89.2 | 9.86 | 0.939 |
- | - | 81 | 18 | 1 |
予測値との比較について、例えば1行目を見ると、6枠(最小枠数)は実測値>予測値となっており、8枠(最大枠数)は実測値<予測値となっています。この傾向は2~4行目についても同様です。
ここでおさらいなのですが、例えば20-20-15の非UP日では、上記計算式を用いてEVENT枠出現率は331.2%と計算されます。100%ごとに2枠確定するので、これは2×3=6枠確定、かつ7枠目と8枠目がそれぞれ31.2%の確率で出現することを意味します。すなわちそれらが両方とも出現する確率は0.312×0.312=0.097344で、表にある9.73%はこのように計算しています。
しかし実測値は9.73%よりも低い7.16%であったため、この事実から考えられるのは「実際のEVENT枠出現率は331.2%よりも低い」のではないかということです。
ぱっと見わずかな差に見えますが、予測値である「6枠:47.3%、7枠:42.9%、8枠:9.73%」という値が実測値に当てはまっているかどうかを統計的手法で検証(※)すると、予測値と実測値でずれが発生していることが分かります。なお、「20-20-20の出現率非UP日」および「20-20-20の出現率UP日」でも同様に予測値とのずれが確認できます。
(「20-20-15の出現率UP日」では確認できず。データ数が少ないためだと思われる)
※有意水準0.01で適合度検定を実施
計算式の再考
というわけで、計算式の形をこのように仮定し、2番目と3番目の係数であるsとtについて考えていきます。(スコアランクSを前提とする)
なぜこの形を仮定したのか、また1番目の係数は1で良いのかと思うかもしれませんが、以前の記事にも書いた通り、GRANDにおける獲得マニー倍率の計算式が
獲得マニー倍率=1+(①-1)×1+(②-1)×0.91+(③-1)×0.905
のようになっていると思われる(①②③はスターランクごとの獲得マニー倍率)ため、これに倣う形としています。
結論から書くと、sとtに関しては
0.75 < s+t < 0.8
という範囲の値になっていると思われます。以下その根拠について。
0.75 < s+t について
s+t=0.75とすると、新しい方の計算式により「20-20-20、出現率UP日のEVENT枠出現率」はぴったり400%となります。9枠目、10枠目が出ることから実際のEVENT枠出現率は400%より大きい値であることが確定しているため、0.75 < s+tとなります。
s+t < 0.8 について
s+t=0.8は冒頭で述べた、以前に導出した古い方の計算式における係数の和(0.4+0.4)です。このとき「20-20-20、出現率UP日のEVENT枠出現率」は410%となりますが、上述の検定から9枠目、10枠目が出る確率は10%よりも低い(5%程度?)ようなので、s+t < 0.8であることが推測されます。
結論
こんな感じじゃないでしょうか。
試しにs=t=0.385(このときs+t=0.77)として、上と同じような実測値と予測値を並べた表を作ってみます。
スターランク | 出現率UP | 6枠 | 7枠 | 8枠 | 9枠 | 10枠 |
---|---|---|---|---|---|---|
20-20-15 | × | 53.9 | 39.0 | 7.16 | - | - |
52.7 | 39.8 | 7.51 | - | - | ||
20-20-15 | ○ | 21.2 | 48.3 | 30.5 | - | - |
19.5 | 49.3 | 31.2 | - | - | ||
20-20-20 | × | 7.19 | 42.9 | 49.9 | - | - |
8.02 | 40.6 | 51.4 | - | - | ||
20-20-20 | ○ | - | - | 89.2 | 9.86 | 0.939 |
- | - | 92.2 | 7.68 | 0.16 |
だいたい合致していますね。このとき20-20-20の出現率UP日におけるEVENT枠出現率は404%と計算されていて、10枠が出る確率は0.16%と非常に低い値に。(その割に2回も引けてるのは上振れ?)
正確な値は分かりませんが、sとtはおおよそこの辺りの値なのではないかと思います。
ちなみに例えばs=0.5, t=0.29というようにsとtに大きな差がある可能性は無いのかという話については、20-20-15のような場合(=2番目と3番目のスタランに差がある場合)の予測出現率が実測値と大きく異なってしまうため、差があるとしても小さいものである可能性が高いです。